カワウソ虐待疑惑動画騒動の経緯とカワウソファン一個人の考え




先日、コツメカワウソの虐待容疑で飼い主の女性が書類送検されたとのニュースが流れました。

この事件自体は、今年3月にTwitter発信で騒動になった事件の続報にあたるニュースでした。

今回、この事件の経緯、カワウソファン一個人としてどうとらえているかについて書いていきます。

どうして書こうと思ったか

この事件の発端はTwitterに投稿された一つの動画です。
どんな動画かというと、タイトルにある通り、飼い主さんがカワウソを虐待していると疑われる動画です。
私もこの動画をはじめてみたときは、とてもショックで落ち込みました。
ただ虐待と思われる行動に「ひどい!」と思う気持ちだけではなく、
カワウソをお迎えしたい、育てたいと思った人間として、
他人事には思えませんでした。
もっとも私はカワウソを育てられる経済力がないので、飼うことは不可能ですが…

この先は騒動の経緯とカワウソを愛する一個人としての考えを書いていきます。

何が起きた?ことの発端

3月下旬にとある動画が、カワウソと触れ合えるお店『コツメイト』さんのtwitterで投稿されました。

内容は、コツメイトさんのポストに入っていたUSBの動画を再生すると、
リビングとおもわれるところで、一人の女性が棒状のようなものでカワウソ2頭を叩こうとしたりしている動画で、このカワウソさんがどこのカワウソさんかわかる人はいないか情報を求める投稿でした。

その動画はコツメイトさんからは、ほどなくして削除されましたが、とてもショッキングな内容だったので、拡散されていきました。

コツメイトさんは警察に動画のUSBを渡し、捜査されることとなりました。

それから、1週間もたたないうちに、飼い主とカワウソさんがどこの子なのかも判明します。

そのカワウソさんはとても有名なカワウソさんでした。
私は、このカワウソさんは前から知っていて、飼い主さんのインスタもフォローしていました。
ちなみにその動画を投函した人もインスタグラマーでフォローしている方でした。

飼い主さんは今回の動画に関して、自身が本人だと認め、このようにインスタで投稿しています。


彼女が拡散した動画についてお話します。
私が棒のような物で叩いている風の動画ですが私は叩いて家族の一員でもあるカワウソに怪我なんてさせてません。
あの日の動画の説明
〇〇(カワウソの名前)がはじめての発情期ちょうど2歳の頃です。〇〇は我を忘れお風呂上がりに急に私に襲いかかってきました。
シンガポールの事件のように私はかなり酷い怪我をしました。
私は経験がなかったことでしたがメスのカワウソには良くある事だそうです。しかし私も毎日カワウソたちのお世話をしなければなりません。動画はカワウソ達のお部屋の掃除をする時〇〇が私の方へ来ないようにしている動画です。持っているものは紙を丸めたもの。木の棒などはあり得ないです。家にありますか?木の棒なんて無いですよね。
(略)
14年も一緒に暮らしている大切な人生のパートナーであるカワウソたちを傷つけた事ありません。

また、今回の騒動に関して、コツメイトさんの代表の長安氏が、カワウソしゃもじをお世話しているYOUTUBER『あにまるず』さんの動画で、

〇今回のカワウソさんを引き取ってほしいという声を多数いただいているが、警察に届けると証拠品扱いで、仮に保護されるとしても、カワウソカフェなどで引き取ることはまず不可能。

〇当該動画を削除したのは、飼い主はおろか、そのお子さん、投函者にまで誹謗中傷が及ぶようになってしまったことや、動画自体のアップに批判がよせられたことなどによるもので、アップしてしまったことに謝罪されています。

〇捜査の結果についてはこちらに知らされることはないので、これ以上いえることがない。

↑コツメイトさんの長安氏の今回の騒動についての説明動画

この事件発生時に問題として思ったこと

・行為と意図
飼い主ご本人は掃除のためこっちに来ないようにしているものと言っていますが、この動画を見た人たちで虐待と認識されています。

私個人が今回の動画見て思ったことは、飼い主さんが『掃除のためこっちに来ないようにしているもの』というにはどうしても不自然な点があることです。

ただ、追い払っているだけでなく、カワウソさんめがけて棒状のものを振ろうとしている行為が見受けられ、『敵意』のようなものを感じたのです。

そして、反対に持っているのはえさの入ったプラスチック容器に見えます。エサ持っていたら、カワウソさんが近づこうとするのは当然だと思います。
それに向かって棒状のものを振るって、意地悪しているように見え、それが悲しかったです。

今回の行為は少しでもカワウソさんに『悪意』『敵意』をもってしていることだとしたら許されないと思います。もし、そうだったとしたら、行動を改めてほしいと思います。

・個人への誹謗中傷
今回の騒動で、飼い主さんだけでなく、そのお子さんやUSBの投函者まで誹謗中傷の対象となっているようです。

今回飼い主さんはおろかお子さんにまで誹謗中傷が及んでいるということに問題も感じます。

カワウソを飼うことがすごく大変なことであることは、この方のみならず、多くのカワウソインフルエンサーの方がおっしゃっていることです。
甘噛みはおろか本気噛みされて病院に行くはめになったという話は何度も聞いています。

そして『自分がカワウソを育てる立場になったとき、過ちを犯さず育てることができるか?』
とも思います。
こういう騒動があると自分はそんなことはしないと当然思います。
でも、カワウソさんを育てるとなると、見てくれる動物病院も少ないし、マニュアルがあるわけでもない。きっと手探りでしょう。
人間の子供でも思うように子育てできなくて、思わず…なんていう人も少なくないのではないでしょうか。

でも、個人攻撃、直接関係ない人にまで攻撃すること等はどうなんでしょうか。
私は今回の問題は虐待疑惑だけでなく、それ自体への反応にも問題を感じてしまいました。

動物保護の観点の欠如
コツメイトさんの長安氏が動画内で話していたことですが、海外ではもっと動物保護の意識が高く、カワウソがたくさんいるシンガポールでは『animal police』なるものがあって、
今回のようなことがあると、普通の警察だけでなく、『animal police』も動いて、もっと積極的にカワウソの保護に動くが、日本はそういうものがなく、カワウソさんも『証拠品』というモノ扱いじゃないかとのこと。

今回、書類送検のニュースを経て思ったこと

「懐かず、餌をやるときにかまれるのでやった。しつけでやった。虐待でやったわけではない」
虐待で検挙された人たちはだいたい「しつけ」といいます。
そんなことを聞くと「は?何言ってんの?」って思います。
でも、その一方で今回の事件に関しては私は「そんなに気持ち追い詰められてる感じなのかな」とも思います。

思うのは、そういう状態の人が育て続けるって無理な状態なんじゃないでしょうか。

twitterなどSNSには案の定誹謗中傷のコメントが溢れていますが、
私は一方的に虐待した人を非難しようという気持ちはありません。ただかなしいだけです。

私に気になることのひとつは、今回の飼い主さんのカワウソがこれからどうなるのかということ。

ニュースで施設に保護されたと聞きました。このあとどうなるのでしょうか。
飼い主さんのもとに返されるのでしょうか。
それとも、動物園とかに引き取られるのでしょうか。

飼い主さんに返されるとしても、飼い主さんがそのままなら、同じ状態になりかねないし、
動物園といっても、おうちで飼われるのと動物園で飼育されるのとでは環境も育て方も全然違うと思います。
どちらにしてもそのカワウソさんにとって幸せなのでしょうか。

カワウソは販売されている以上、高額ですが、お金をある程度持っている人は飼うことができるので、
飼う人はなくならない。


でも実際飼ってみるとこんなはずじゃなかったって人が出るでしょう。

カワウソを飼うべきではない、飼うことで幸せになれない動物という意見があることも知っています。

でも、おうちカワウソみんな不幸せかというとみんながみんなそうとも言えないと思っています。
飼うことが向いている人が限られる動物と思います。

今回ようなことが起こらないようにするためにどうすればいいか。


以下①か②のどちらかにするべきではないかとの考えに至りました。

①今後カワウソを飼うことを禁止にする(今飼っている人は除いてですが)

②カワウソを育てられなくなったときに、虐待があったとき、
カワウソを保護し、保護親とか施設とか受け皿になるところを作る。
また飼った以上責任をもってもらうためにも、
明確な刑事罰、飼い主の更生のための制度を設ける。

今回の事件で何か状況が変わるかというと、まったくそうは思わないし、
激しく誹謗中傷するひとたちも、結局飼い主の人たちが社会的制裁を受けるのを見て、
溜飲を下げるくらいのことしかしないだろうと思うし、
何もならないような気がしますが、
だまってはいられなかったので、今回長々と書かせていただきました。